CAPS-Childのポイント

CAPS-Childのポイント

子どもの年代には,どのような運動を,どのような環境で行うかが大切です.
子どもの将来の可能性をひらく豊富な運動経験を実現するためのポイントは次の6つです.

  1. 子どもの発達に合わせた運動プログラム
  2. オールラウンドな運動能力の育成
  3. 子どもの様子に応じた運動プログラムの工夫・変化
  4. 子どもが夢中になって楽しめる運動プログラム
  5. 「教える」よりも「自由なプレー」
  6. 運動・スポーツによる全人的成長

1.子どもの発達段階に合わせた運動プログラム

子どもの発達段階に応じた学習能力やトレーニング可能性を理解し,適切な運動プログラムを提供することが必要です.

発達の個人差の理解

月齢によって体力・運動能力に差が生じます(相対的年齢効果).また同じ月齢でも,発達速度に違いがあり,早熟と晩熟の子どもでは最大1~2年の差があります.子どもの運動・スポーツに関わる際には発達の個人差を理解する必要があります.

【幼児期】[基礎的運動スキル]5歳~6歳では,的への正確や遠投投げなど,運動が分化し,6歳~7歳ごろまでに大人と似たような動作ができます.→運動遊び等を通じて,楽しさを感じながら様々な運動を経験することが大切です.【小学校期】[コーディネーション能力]様々な身体や用具の操作スキルを高め,新たな運動の習得に関係します.[知覚能力や情報処理能力]自分や周囲の状況の理解に関係します.→自由な環境でのプレーや多様な条件下での運動は,創造的な思考や器用な身のこなしを育てます.低学年の年代では,細かく教えられることよりも,失敗は気にせずたくさん経験することが大切です.
【中学校期】[持久力や筋力]→主に中学生や,高校生以降の年代で本格的に取り組みます.

2.オールラウンドな運動能力の育成

  • 子どもの時期にはオールラウンドな運動能力の育成が重要になります.
  • トップアスリートになる場合でも,子どもの頃は多様な運動の経験が大切です.
  • オールラウンドな能力の育成のためには,多様な用具を使用し,様々な形式での運動の実施が大切です.
オールラウンドな運動能力の例

オールラウンドな運動能力の例

3.子どもの様子に応じた運動プログラムの工夫・変化

  • 子どもの運動課題の理解度や達成度,また意欲・関心の程度を観察し,適度な運動課題になるように用具やルールを工夫・変化させます.子どもが夢中になって何回も課題にチャレンジするような課題設定が大切です.

ボールの種類を工夫

4.子どもが夢中になって楽しめる運動プログラム

  • 子どもにとって達成感や楽しさを感じることは,次の学習の動機づけとなります.夢中になって課題に没頭し,何回も実践するうちに自然と基礎的な運動スキルを身につけることができます

学習機会→課題の達成→楽しさ→次の学習の動機づけ POINT
多様な運動形式や成長に見合った運動課題の設定→子どもにとって思いがけない成功体験や期待以上の学習成果

5.「教える」より「自由なプレー」

  • 早期からの詰込み練習や指導者からの過度なフィードバックは,子どものスポーツに対するモチベーションを低下させ,早期のドロップアウトにつながる可能性があります.
  • 子どもの頃は教えるよりも自由にプレーさせることが大切です.これは,特に創造的なプレーの開発において重要となります.ただし,学年があがる(高学年)につれて,自由なプレーに徐々に指導者からのフィードバックを加えていきます.

自由なプレーと指導者からのフィードバックの割合のイメージ

6.運動・スポーツによる全人的成長

豊かな運動経験は,運動能力の開発のみでなく,体,心,知性など全人的な成長を促し,子どもの将来の可能性をひらきます.

豊かな運動経験によるCAPSの獲得
→体力・運動能力向上・心身の健康増進・認知的能力の開発・情緒の発達および社会的スキルの成長

  • 子どもの頃に体力を高めておくことや運動習慣を形成することは,将来の心身の健康にとって大切です.
  • 日常的に適度な運動・スポーツを行い体力や運動能力を高めることは,認知的能力の開発に役立ちます.
  • 自由で楽しい雰囲気のスポーツ活動は,子どもの積極的・主体的な学習姿勢が高まるため,教室での学習を支援する重要な機会となります.
  • 幼児期の運動遊びで多くの運動の上達を実感できた子どもは、日常の行動においても自信をもって積極的に行動するようになります。
  • 運動・スポーツ活動は,あきらめず最後まで取り組む態度を形成することができます.また,自己の行動の結果を受け入れたり,他者を思いやったりすることなどの情緒や社会的スキルの成長を促す機会となります.
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